日本国内で“ゼロパンダ”が現実味を帯びています。
和歌山・白浜町の「アドベンチャーワールド」で飼育されていた4頭のジャイアントパンダ──良浜(らうひん・24歳)、結浜(ゆいひん・8歳)、彩浜(さいひん・6歳)、楓浜(ふうひん・4歳)──が、2025年6月28日に中国・成都の繁殖研究基地へ返還されました。
27日にセレモニーが行われ、地元や全国から約3,000人が見送りに訪れた様子は、まさに別れの舞台でした。
これにより、現在日本でパンダを見ることができるのは、東京・上野動物園にいる双子のシャオシャオとレイレイだけとなりました。
しかし、この2頭も返還期限は2026年2月と迫っています。今後、日本のパンダ事情はどうなっていくのでしょうか。
この記事では、日本の今後のパンダ事情について解説していきます!
▶️白浜のパンダ、なぜ返還?
契約満了と繁殖プロジェクトの終了
アドベンチャーワールドと中国との共同保護プロジェクトは30年にわたり続けられてきました。
その契約が2025年8月で満了するのに伴い、4頭は6月末に返還の運びとなりました。
アドベンチャーワールドは検疫のために5月26日からガラス越し展示へ移行し、27日には歓送セレモニーが実施されました。
高齢の良浜を中国で
4歳の良浜は人間でいえばなんと70歳以上に相当します。かなりご高齢ですね…
そこで、日本の施設よりも中国の基盤の整った保護環境で晩年を送ることが望ましいと判断されました。
若い3頭に関しては、中国での繁殖パートナー探しが主眼となっています。
▶️残されたパンダは東京上野に2頭
上野動物園には2011年に来日したシャオシャオとレイレイがいますが、この2頭も契約終了が2026年2月と期限付きです。

契約更新に関する交渉は現在進行中ですが、延長されなければ、日本では一時的にパンダを見ることができない“ゼロパンダ”の状態になる可能性も指摘されています。
動物園のアイドル的存在でもあるパンダが見れなくなるかもしれないなんて、信じられないですよね…
▶️中国との“パンダ外交”と資金面の課題
外交の象徴としてのパンダ
中国は長年、パンダを「友好使者」として海外に貸し出す“パンダ外交”を展開してきました。
日本にとっても、1972年に最初に上野に届けられた「カンカン」「ランラン」以来、重要なシンボルとして受容されてきました。
貸与料は1頭当たり1〜1.4億円/年
日本がパンダを借りるには、中国へ巨額の研究援助費用を支払わなければなりません。
これが誘致のハードルとなり、自治体によるクロスボーダー交渉が求められます。
茨城県や仙台市など一部自治体が動き出していますが、具体的な来日計画は未定です。
これだけ莫大な費用が必要となると、誘致に踏み切るのはなかなかな勇気がいりそうですよね。
▶️今後再びパンダを見るには?
上野の延長交渉の鍵
上野動物園のシャオシャオとレイレイは、ニュース三役の会話の中で延長への期待が語られています。
中国側としても、日本市場でのパンダ人気と外交価値を無視することは難しいとの見方が専門家からあります。
新規誘致の可能性
茨城、仙台などが誘致計画を検討中ですが、成立すれば日本で新たなパンダ拠点として注目されるでしょう。
ただし、貸与料や施設整備などの課題が多く、時期は不透明です。
▶️終わりに:再びパンダが見られる日は来るのか?
結論をまとめると以下のようになっています。
状況 | 可能性 | 時期 |
---|---|---|
上野のシャオシャオ・レイレイ | 契約延長期待あり | 2026年2月〜交渉中 |
白浜のパンダ再誘致 | 検討中(費用・施設次第) | 未定、数年単位か |
他地域からの誘致 | 茨城・仙台動きあり | 未定 |
日本で再びパンダに会える日は、可能性が完全にゼロになったわけではありません。業界関係者や自治体の動き、中国との交渉の潮目が鍵を握っています。
「ゼロパンダ」期間が生まれるとしても、それをきっかけに新しい観光·保全スタイルが生まれる予感があります。
今後、日本でパンダが再び見られるかどうか――それは中国との国際協調、日本側の自治体努力、そして私たちファンの声によって左右されるでしょう。見守り続ける価値のある動物であることは間違いありません。
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