「大阪なのにライブないって…嘘でしょ?」
近年、大手アーティストの全国ツアーで関西(特に大阪)公演が“飛ばされる”ケースが増えています。
「地方にもファンがいるのに」「何で大阪は外される?」と疑問の声が続出。
この現象、実は大阪だけでなく、愛知など他の地方でも同様の傾向が見られ、“東京一極集中”の構造が背景にあると専門家は指摘します。
そこでこの記事では、大型ライブにおける「関西飛ばし」がおこる原因や理由、背景などを徹底解説します!
▶️“関西飛ばし”は本当に増えているの?
2023年調査によると、全国のライブ総数約34,500本のうち、東京が11,613本、大阪は6,002本。
一方、愛知は2,401本と全国の約7%という結果に。
また、関西支部を持つ一般社団法人・コンサートプロモーターズ協会(ACPC)は、「大型公演の関西飛ばし」が進んでいると2024年2月に声明を出し、会場不足が原因の一つと警鐘を鳴らしています。

▶️最大の問題は「会場が足りない」こと
首都圏では“ライバル”続々
東京には最近、10,000人クラスの新アリーナが15施設以上開設・計画中ですが、関西圏では計画中の施設がわずか3施設のみ。
この差が、地方公演回避につながっています。
コスト面で圧倒的不利
大阪や関西でのイベント開催は、首都圏に比べて約1.5倍のコストがかかることが判明。
アーティストの移動費、機材輸送費、宿泊費などが重なり、1万人規模では採算が難しくなっています。
首都圏集中の制作環境
プロモーター・制作会社などが東京に集中しており、地方公演は物理的・経費面で非効率。
関西まで回す合理性が薄まっています。
▶️東京 VS 大阪 主要ライブ会場
東京
会場名 | 所在地 | 収容人数 | 特徴・用途 | アクセス | 完成年 |
---|---|---|---|---|---|
東京ドーム | 東京・文京区 | 約55,000人 | 国内最大級の屋内スタジアム | 水道橋駅から徒歩約2分 | 1988年 |
有明アリーナ | 東京・江東区 | 約15,000人 | 最新設備、音響が高評価 | 有明駅から徒歩約8分 | 2022年 |
代々木第一体育館 | 東京・渋谷区 | 約13,000人 | デザイン性が高く、イベント多 | 原宿駅から徒歩5分 | 1964年 |
ぴあアリーナMM | 神奈川・横浜市(東京圏) | 約10,000人 | 音楽特化型アリーナ | みなとみらい駅すぐ | 2020年 |
日本武道館 | 東京・千代田区 | 約14,000人 | “聖地”として知られる伝統会場 | 九段下駅から徒歩5分 | 1964年 |
東京ガーデンシアター | 東京・江東区 | 約8,000人 | 商業施設併設で利便性◎ | 有明駅・国際展示場駅 | 2020年 |
大阪
会場名 | 所在地 | 収容人数 | 特徴・用途 | アクセス | 完成年 |
---|---|---|---|---|---|
京セラドーム大阪 | 大阪・西区 | 約55,000人(最大) | 多目的スタジアム、野球兼用 | 大正駅・ドーム前駅すぐ | 1997年 |
大阪城ホール | 大阪・中央区 | 約16,000人 | 大阪を代表する大型アリーナ | 大阪城公園駅すぐ | 1983年 |
フェスティバルホール | 大阪・中之島 | 約2,700人 | 音響に定評、クラシックも多 | 渡辺橋駅徒歩すぐ | 2013年(再建) |
Zepp Osaka Bayside | 大阪・此花区 | 約2,800人 | ライブハウス型で若年層人気 | 桜島駅から徒歩4分 | 2017年 |
なんばHatch | 大阪・浪速区 | 約1,500人 | 中規模ライブ・イベント向け | JR難波駅 徒歩5分 | 2002年 |
新MGM大阪アリーナ(計画中) | 大阪・夢洲(予定) | 約20,000人 | インバウンド特化型、大型IR併設 | 万博延伸予定 | 2029年(予定) |
▶️名古屋や他地方でも“飛ばされ現象”
“名古屋飛ばし”も深刻で、愛知県では人口230万人に対し“中京圏”のライブ数がわずか7%との結果に。
これは「東京 or 大阪」の二択になりがちな今のツアー構成が顕著に影響しているためで、名古屋は大都市圏でありながら立ち位置が難しくなっています。
▶️全国遠征型ライブが生む地域格差
全国遠征型ライブが生む地域格差としては、以下の3つのようなことが考えられます。
- 経費の問題:「経済的に採算が取れる首都圏中心」は悲しい現実。
- 地方ファンの離脱リスク:リアル体験の不足が「文化に触れる機会の少なさ」に感じられ、若者の地方離れ要因にもなりかねません。
- 自治体の対応が差になる:関西では大型アリーナ建設検討も進む一方、市単位での施策だけでは歯が立たず、国レベルでの調整がまだ不十分です。
▶️解決策と今後の展望
◯関西・中部での大型アリーナ整備
大阪城東部や京阪神圏などに10,000人以上の会場建設が急務。
◯制作会社の地方展開支援
東京本拠のプロモーターが地方回りのコスト補助制度などを自治体が導入すれば、公演回数が増える期待大。
◯地方フェスやご当地イベントの強化
地元ならではの企画を通じて、**“その土地で行う価値”**を高めれば、首都圏に頼らない魅力をアピールできます。
◯交通・宿泊支援パッケージ
地方自治体や旅行代理店とタイアップした遠征ファン向け宿泊バンドルなども有効です。
▶️まとめ
いかがでしたでしょうか!?
この記事では、近年問題視されている、大型ライブにおける「関西飛ばし」はなぜ起こるのかということを徹底解説しました!
「全国ツアー、関西はスキップ」は地方にいるファンの心に、“またか”という失望感を植え付けます。
一方で、ライブ業界・自治体・地方ファンが同時に動けば、文化の地域バランスを取り戻すことは可能。
これからのツアー構成や会場整備の動きを注視し、関西にも“大型ライブが当たり前”になる日を期待したいですね!
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