かつて甲子園で栄光を誇ったPL学園。
しかし、今では全校生徒はわずか39人という衝撃の現実に直面しています。
なぜ、あの名門校がここまで衰退してしまったのか?
そして、廃校の可能性もありえるのでしょうか――。
その原因と未来を徹底分析します!
▶️ PL学園の現状:生徒数はたった39人
PL学園(中高一貫・大阪府富田林市)は母体がパーフェクト・リバティー教団という宗教系私立校です。

2025年度の事業報告書によると、高校3学年合計で生徒数は 39人、中学校3学年合計で 35人 という極端な少人数となっています 。
高校では各年度1学年あたり平均13人、中学校も同様に10〜15人程度で推移。
高校1年生は8人前後とされ、実質的に全校でクラス数は1クラスという規模に近づいています。
(PL学園公式HPはこちら)
▶️ 激減の要因①:信者数の減少と厳格な入学条件
PL学園の運営母体であるPL教団は、近年、信者数の減少傾向が顕著です。
教団誌の発行部数も減少しており、信者層の高齢化も進んでいます。
入学にあたっては教団への入会や信仰が条件とされ、特に「教祖からのお守り(みたま)」を受けていることが事実上の出願条件となっています。
しかも、2020年の教祖死去以降は教祖不在が続き、御守りが下付されない状況が継続中です。
そのため「受験者が現時点で事実上存在しない」状況にもなっています。
過去の募集では国公立コースや理文選修コースともに定員割れが続き、受験倍率は極端に低くなっています。
ある年には国公立コース受験者がわずか1人、理文選修も1人という年度もありました。
▶️ 激減の要因②:野球部休部とブランド低迷

PL学園の“看板”であった硬式野球部は、2016年夏に休部となりました。
部員募集が停止され、高校野球連盟を脱退し、活動停止となりました。
2023年には野球未経験の1年生が1人だけ入部したという報道もありましたが、実質的な再建には至っていません。
かつての暴力問題など野球部にまつわる不祥事の影響で学校ブランドが傷つき、スポーツ志望の生徒は他校へ流れる傾向が強まっています。
▶️ 激減の要因③:校舎の老朽化と運営難
生徒数減少に伴い、学費収入も著しく低下。
その結果、校舎や施設の維持管理が難しくなっています。
文部科学省や大阪府の調査では、複数の建物(図書館、剣道場、寮など)が耐震基準未達とされ、2022年度から未使用化される決定がなされました。
寮や校舎の改築も資金的に厳しく、教団からの借入返済負担は重くなる一方です。
老朽化した環境により、生徒・保護者からの信頼維持すら危ぶまれる状態です。
▶️ 廃校の可能性:現実的な懸念に
OB会長を務める桑田真澄氏は、2025年1月の懇親会で
「高校・中学ともに1学年10人前後。男子は1学年あたり5〜6人程度」「教祖不在のため受験の方法がない」
と発言し、「生徒を増やす方法が現在は事実上無い」と語っています。

また、別報では中学11名、高校14名という数字も示されており、学校全体で5人未満の入学者ということさえ起こり得ます。
これらの現実から、廃校の可能性は決して絵空事ではなく、運営、カリキュラム、教員配置の維持が困難と見られています。
▶️ 今後の光明と課題:未来への展望
PL学園を支えるOB・信者のいくつかは、学校の再生に向けて支援を継続しています。
しかし、教団の方針転換待ちの状態が続いているため、制度の柔軟化や一般受験者の受付再開など具体策の実施は難航している状況です。
可能な再建の方向性としては、宗教色を薄めた入試制度の見直し、オンライン授業や地域との連携、施設の再整備などが考えられます。
ただし、いずれも教団や運営法人の意志が不可欠です。
▶️ まとめ:名門復活はあるのか?
PL学園は、かつて全国にその名を轟かせた名門校でした。
しかし時代の流れとともに、その体制や教育方針が変化に追いつけず、生徒数は39人にまで激減しました。
中学部の募集停止、野球部の活動停止という事実は、「かつての栄光」と「現在の苦境」のギャップを象徴しています。
このままでは、近い将来に高校も廃校となる可能性は高く、PL学園というブランドは歴史の中に消えていくかもしれません。
ただ、その最後の瞬間まで、「名門復活」への希望を捨てない人々がいることもまた事実。
今後の教団の判断と社会の反応に、注目が集まります。